抗がん剤の種類

抗がん剤は、がん細胞は細胞分裂の周期が速いところを標的にしているのが基本です。細胞周期がターゲットとなりますが、がん細胞はもちろんのこと、骨髄や消化管上皮、毛包といった細胞周期が早い正常細胞も同時に攻撃されることになり、具体的には骨髄抑制や脱毛といった形で現れます。

抗がん剤の種類(つづき)

現在日本では100種類近くの抗がん薬が存在し、それぞれが特徴を有しています。がん細胞のDNAに作用して分裂を阻止するように働きかける抗がん剤や、がん細胞の分裂を阻害する抗がん剤、がん細胞を衰弱させる成分を与えて細胞を死滅させる抗がん剤など、それぞれの長所を活かして数種類の抗がん剤を組み合わせて併用する多剤併用療法が主流になってきています。

抗がん薬は大きは、アルキル化剤 、代謝拮抗剤、植物アルカロイドに分類されます。DNA合成あるいは何らかのDNAの働きに反応します。

アルキル化剤はもっとも古くからある抗がん剤で、マスタードガスの研究から開発された抗がん剤の代表的な薬で、とりわけ白血病や悪性リンパ腫などに効果が認められており、細胞内で種々の電気陰性基をアルキル化することで、アルキル化剤とつけられました。

抗がん剤イメージ

DNAは遺伝情報の伝達など生命にとって大変重要な役割を果たしますが、アルキル化剤はDNAの遺伝情報に障害を起こしDNAそのものを損傷させるもので、DNAと結合して、DNAの構造を変化させてがん細胞の分裂・増殖をおさえます。

アルキル基と呼ばれる原子のかたまりをがん細胞のDNAに付着させ、二本のDNAを結合させて複製できないようになっています。そしてアルキル化基が結合した状態でがん細胞が分裂・増殖し続けようとするとDNAがちぎれてしまい、がん細胞はもはや分裂することができず、死滅することになります。

代表的なアルキル化剤としては、ナイトロジェンマスタード 、白金製剤、シクロホスファミド、ニトロソウレア類などです。

抗がん剤の種類(詳細)

代謝拮抗剤は増殖の盛んながん細胞に多く含まれる酵素を利用して、分裂を抑え込もうとする薬です。がん細胞の中に入りこみ、DNAの合成を止めて、がん細胞の分裂・増殖をおさえる抗がん剤です。がん細胞の増殖に必要な核酸の材料となる物質とよく似た構造をしているので、がん細胞の中に入りやすくなっています。

細胞分裂の際にたんぱく質などの材料が必要になりますが、代謝拮抗剤はDNA合成に必要な酵素の働きを阻害させることでDNA合成ができなくなるようにして、がん細胞の増殖をおさえることになります。ほかの薬と組み合わせることにより、効果がより増大されることがわかっています。

抗がん剤イメージ

抗がん性抗生物質は抗生物質であり、菌類である特定のカビから作られた抗がん剤で、がんの細胞膜やDNAの構造を破壊し、分裂を阻止します。DNAと結合することでDNAやRNAの合成を止めて、がん細胞の分裂・増殖をおさえます。

植物アルカロイドは天然の植物を原料としてつくられた抗がん剤であり、細胞の中にある細胞の分裂に重要な微小管の働きを止め、がん細胞を死滅させます。細胞分裂を阻害してがん細胞の増殖をおさえることになります。

乳がんなどはホルモンがあるとがん細胞が強く増殖しますが、内分泌療法と呼ばれるホルモン療法剤を投与することで増殖に必要なホルモンをがん細胞に与えないように遮断して、がん細胞の増殖をおさえます。ホルモン療法剤は他の抗がん剤と比較するとがん細胞を死滅させる力は弱いですが、長期間に継続して服用できる利点があり、乳がんの術後補助療法などで重要な治療方法となっています。

他にがん細胞内のDNAと結合し、がん細胞の分裂・増殖を抑える白金錯体(はっきんさくたい)や、がん細胞が増殖に必要としているL-アスパラギンを分解するL-アスパラギナーゼなどの抗がん剤があります。


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